7月7日(金)

午前 「河内西国霊場について」

 八尾市観光ボランティアガイドの会 

 田村 直行 講師

 

 複数のお寺を訪ね歩いてお参りすることを霊場巡礼(霊場巡り)と言われる。霊場巡りでよく知られているのが、四国霊場八十八箇所(四国遍路)、西国三十三所観音霊場(西国巡礼)がある。江戸後期には庶民にもこれらの巡礼が近くなったとはいえ、実際にはごく一部の富裕層に限られ、多くの人が回れるようにと考え出されたのが「写し霊場(コピー版)」で全国各地に600位の霊場がある。

河内西国霊場もその一つで、河内では、複数の(資料から判るだけでも5つの)河内西国霊場が存在していた。第二次世界大戦の混乱でこれらの巡拝は中断、霊場も荒廃したが、終戦後、国内が戦後復興と経済成長を遂げるなかで、心の安らぎを求める人々の間に霊場巡りが再び注目を集め、各地で三十三所霊場が復活している。

 

 四国遍路のご接待など霊場巡りの楽しさや地域密着型の小さな寺院では、法要や葬儀等の寺務があれば朱印対応が難しい時もあるが、心の安らぎを感じたい時にぶらりと訪ねて頂きたい霊場であると説明された。

河内西国霊場(中・南河内)は河内西国霊場会のパンフレットにあるように、有名な大寺院から町の小さなお寺まで渾然一体となっているのが特徴で、具体的に見ると、河内に根を下ろす大きな三つのキーワードである①聖徳太子、②東高野街道(空海が開かれた高野山と京を結ぶ街道)、③融通念佛宗、の信仰・文化・歴史を見ることができる。河内西国霊場でおすすめのお寺として、感応院(八尾市)、大林寺(松原市)、法雲寺(堺市美原区)を紹介された。

 

1番 大聖勝軍寺、2番 念佛寺、3番 西方院、4番 龍雲寺、5番 大林寺6番 法雲寺、7番 壺井寺、8番 大黒寺、9番 光明寺、10番 千手寺、11番 来恩寺、12番 感応院、13番 元善光寺、14番 梅岩寺、15番 大通寺、16番 浄谷寺、17番 法蔵寺、18番 神宮禅寺、19番 観音寺、20番 楠妣庵観音寺、21番 叡福寺、22番 額田寺、23番 玄清寺、24番 慈光寺、25番 常楽寺、26番 興法寺、27番 観音寺、28番 大龍寺、29番 菩提寺、30番 観音禅寺、31番 圓通寺、32番 延命寺、33番 長栄寺、特別客番 慈眼寺、特別客番 大念仏寺、特別客番 葛井寺、特別客番 高貴寺

 

(八尾市観光ボランティアガイドの会 田村氏講演資料から抜粋、3か寺の写真はインターネットから引用)


午後

 講談を楽しもう「大阪夏の陣・

 八尾の戦い」「即興講談」ほか

  四代目 玉田 玉秀斎 先生

  お弟子 玉田 玉山さん

 

 「物語りを語るのが講談」とのことで、初めて講談を聞かれた方も多いようでしたが、大きい声と歯切れのいい話し方で、観客を話しに引き込む話術はさすがでした。

 最初にお弟子さんの玉田玉山さんが「般若寺の焼き討ち」の講談をされ、そのあと師匠の玉田玉秀斎さんとのかけ合いから、即興の講談をされました。

 休憩のあと、玉田玉秀斎さんの即興の講談「桃太郎の一席」と本題の講談「大阪夏の陣・八尾の戦い」を聞きました。大阪夏の陣は、最後に大阪方(豊臣方)が勝った戦いで、講談の前に登場人物の説明もあってよく理解出来ました。義理と人情や登場人物への感情移入など話しの内容に引き込まれ、時間も忘れて楽しみました。

 

 講談師は全国に約100名、落語家は約1,000名とのことでしたが、また聞きたいと思う講談でした。